電磁波

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1.電磁波とは

電磁波は通信技術の発展と共に進化しており、いまや身の回りの多くの電子機器で使用されています。

電磁波技術の発展は、近代以降の文明レベルを大きく変貌させる象徴的存在である一方で、人体に与える影響についても問題視されている一面を持ち合わせています。

では、電磁波とは危険なものなのでしょうか?

そんな皆さんが日々感じている電磁波に関する疑問や不安な点について、詳しく解説し謎を紐解いていきます。

– 電磁波を分かりやすく解説 –

電磁波は、波の形をしたエネルギーの塊です。池に石を落とすと、水の波紋が落とした石を中心に広がっていきますが、電磁波も同じようなイメージで伝播していきます。

電磁波は、電場と磁場が連携して伝わります。電場は電気の力を表し、磁場は磁力を表します。これらの力が互いに作用し合いながら、空間に伝わっていくのです。

電磁波は私たちの日常生活においてさまざまな役割を果たしており、具体的には、ラジオやテレビ、携帯電話(スマートフォン)の情報を運ぶために電波という形で使われています。

また、電子レンジは電磁波の一種であるマイクロ波を利用して食品を加熱しています。

このように電磁波は目に見えないものの、日常生活を送るうえで常に身近に存在しています。これらは現代社会を生きる私たちの生活を支えていると言っても過言ではないでしょう。

– 電磁波が持つ周波数と波長 –
電磁波が持つ周波数と波長

電磁波は、さまざまな周波数と波長を持っています。

周波数は波が1秒間に何回振動するかを表し、波長は1つの振動が占める距離を表しており、周波数と波長によって、同じ電磁波であってもさまざまな種類に分類されるのです。

主な電磁波の種類としては以下のとおりです。

ラジオ波

ラジオ波は周波数が比較的低く、波長が長い特徴を持っています。

名前のとおりラジオ放送の電波として使われるとともに、テレビ、携帯電話、Wi-Fi、Bluetoothなど一般的な電子機器で広く使用されているので、日常生活ではもっとも身近な電磁波と言えるでしょう。

マイクロ波

マイクロ波は高い周波数と短い波長を持ち、通信、調理、測定や検知のためのセンシングなどのさまざまな分野で応用されている電磁波です。

専用の導波管やアンテナを使用すると指向性を持たせることが可能になります。局所的にマイクロ波を浴びせられるため、電子レンジなどにはこの技術が用いられています。

赤外線

赤外線はマイクロ波よりも高い周波数を持ち、物体や生物の熱エネルギーの放射によって生成されます。

すべての物体は、絶対零度(-273.15℃)以上の温度を持っているので、その温度に応じた波長の赤外線を放射します。

この赤外線を検知することで温度の測定が可能になり、非接触での温度計測や暗所での視認性の向上に役立ちます。

紫外線

紫外線は、主に太陽からの放射によって生成されます。太陽の光の一部は、紫外線の領域に位置する高エネルギーな波長を有します。

紫外線は太陽光という形で生命活動に必要不可欠な要素ですが、反面長時間の紫外線への露出は、肌の日焼け、免疫システムの低下、皮膚がんのリスクなどさまざまな健康問題を引き起こす可能性があります。

X線

X線は、紫外線よりも高いエネルギーを持つ高エネルギー電子が原子の内部エネルギー準位に落ちる際に放出される電磁波です。

医療診断、科学研究、工業検査などのさまざまな分野で使用されます。しかし非常に高いエネルギーを持つため、その扱いには細心の注意が必要です。

ガンマ線

ガンマ線は、これまで紹介したなかで最も高いエネルギーを持つ電磁波です。非常に短い波長を持ち、X線よりもさらに高いエネルギーを持っています。

原子核の不安定性や核変換によって生成され、いわゆる「放射線」として知られています。

がん治療やさまざまなものの検査などに使われますが、被ばくのリスクが伴うため適切な利用と管理が求められます。

2.電磁波が与える人体への影響

電磁波は私たちの日常生活において広範囲に存在していますが、その影響については懸念があります。

一部の電磁波は、人体に潜在的な健康リスクをもたらす可能性があると考えられており、その不安を完全に拭いきることができていないのが現状です。

それでは、電磁波はどのような形で人体に影響を与えるのでしょうか?

– 電磁波を感じる人の特徴 –

電磁波が人体に与える悪影響については日々議論が続けられている一方で、電磁波の影響を感じたり主張する人々は決して少なくありません。

そういった人々の共通点として大きく分けて3つの特徴が挙げられます。

1.電磁感受性の高さ

先天的に電磁感受性が高く、電磁波によって身体的な不快感や症状が引き起こされると報告されています。

特に電波塔や送電塔など、強い電磁波を放つ建造物が近くにある場合は、症状の悪化が見られるため迅速な対応が必要となります。

2.心身の疲労

体や精神的なストレスによって、電磁波に対して過敏に反応してしまう人も多数います。

この場合は、元々電磁波への影響を感じてはいなかったもののある日突然発症してしまうため、誰しもがなり得る可能性があると言えます。

3.過去の電磁波への経験やトラウマ

過去に強い電磁波の暴露や電磁波による不快な経験がある場合、電磁波に対する過敏症の症状が引き起こされる可能性があります。

携帯電話やルーターが発するような微弱な電磁波であっても過敏に反応してしまうため、日常生活にも支障をきたしてしまうかもしれません。

– 電磁波過敏症とは –

電磁波過敏症(EHS)とは、電磁波に対して強い感受性を持ち、それによって身体的な症状や不快感に悩まされる状態です。

電磁波過敏症を自覚する人々は、特定の電磁波放射源や電子機器からの電磁波に対して過敏な反応を示してしまいます。

現代社会においては電磁波を放つ電子機器は日常に溢れているため、EHSを発症してしまうと、日常生活を普通に送ることすら難しくなってしまいます。

電磁波に関する個々の感受性や症状は人によって異なる可能性があり、個別の体験や不快感を尊重することは重要です。

また、安全基準と規制を遵守することが公衆衛生上の観点から重要であり、科学的な研究は今後も進行中であることも留意すべきです。

– 電磁波を浴びるとどうなる –

電磁波を浴びることによるリスクは、浴びる電磁波の種類や浴びている時間によって異なります。

一般的にはラジオ波やマイクロ波、赤外線といった微弱な電磁波であれば人体には影響がないとされており、「紫外線」「X線」「ガンマ線」と強い電磁波になるにつれて、人体に悪影響を及ぼします。

しかし、私たちが一般的に利用しているラジオ波やマイクロ波、赤外線であっても強く感受してしまう人々がいるのもまた事実であり、心身に対してさまざまな症状を引き起こします。

– 電磁波が引き起こす人体への悪影響 –

電磁波による引き起こされる人体への悪影響は人によってさまざまで、症状の大きさによっては日常生活にすら支障をきたしてしまう可能性があります。

具体的な症状例としては以下のとおりです。

電磁波による具体的な症状

  • 頭痛
  • めまい
  • 疲労感
  • 不眠症
  • 耳鳴り
  • 神経過敏
  • 皮膚のかゆみや発疹

3.電磁波への対策

電磁波への対策

電磁波による健康状態への影響についてお悩みであれば、電磁波への対策は重要かつ迅速に対応する必要があります。

しかし対応が適切ではなかったり、的外れな対応をしてしまっては時間や労力だけを使ってしまう結果になりかねません。

電磁波への対策は、個々の健康と快適さを向上させるために検討されるべきです。具体的な対策は、以下のような方法で行われることがあります。

「電磁波カット」と「電磁波シールド」の違い

電磁波カット」は電磁波の進入を制限して到達を減少させることに焦点を当て、特定のデバイスや領域に対して効果があります。

対して「電磁波シールド」は電磁波の進入や漏洩を防ぐことで領域や空間を保護することに焦点を当て、広範囲の保護を行ないます。

どちらの方法も、電磁波への露出を減らすために有効な手段ですが、完全な遮断やシールドは困難な場合もあります。

使用する素材や方法の効果は状況や環境によって異なるため、信頼性のある製品や専門家の助言を参考にすることが重要です。

電磁波を通さないもの

電磁波を通さなかったり、伝播を阻害するような素材はさまざまあります。

身近なものを挙げると水やスチール缶でも効果は薄いですが、電磁波を通さない性質を持っています。

それらの電磁波を通さない性質を持つもののなかでも、特に効果的な素材をご紹介します。

金属 金属は電磁波を反射し、通過させにくくする特性を持っています。特に高導電性を持つ金属(アルミニウム、銅、鉄など)は電磁波遮蔽に使用されます。
導電性の塗料やフィルム 導電性の塗料やフィルムは、電磁波を遮断する特性を持っています。これらの塗料やフィルムは、電磁波遮蔽のために壁、窓、電子機器などに塗布または貼付されます。
電磁波遮蔽メッシュ 電磁波遮蔽メッシュは、金属繊維や導電性の材料で作られており、電磁波の進入を制限する役割を果たします。これらのメッシュは、窓や壁に取り付けることで電磁波の透過を減らすことができます。
メタリックシールド メタリックシールドは、導電性の材料から作られたシールドです。電磁波の進入を制限し、電磁波からの保護を提供します。一般的には電子機器やケーブル、特定の回路などに使用されます。

電磁波を遮断する方法

電磁波を遮断するためにできることは多数あります。電磁波を発生させている源から距離を取るだけでも立派な遮断方法と言えるでしょう。

ここからは、電磁波を遮断するための代表的な方法をご紹介します。

導電性の材料を使用する 導電性の材料は電磁波の進入や漏洩を制限する効果があります。金属(例:アルミニウム、銅)や導電性の塗料、フィルムなどが一般的に使用されます。これらの材料を壁や窓に使用することで、電磁波の進入を防ぐことができます。
ファラデーケージを構築する ファラデーケージは導電性の材料で作られたケージ状の構造物です。ファラデーケージ内部に入る電磁波は反射・吸収されるため、内部は電磁波から保護されます。ファラデーケージは、特定のデバイスや領域を電磁波から遮断するために使用されます。
電磁波遮蔽布やカバーを使用する 電磁波遮蔽布やカバーは、特定のデバイスや機器を包み込むことで電磁波の漏洩を防ぎます。これらの製品は、携帯電話やタブレット、ラップトップなどのデバイスに使用されます。
リフォームで障壁を設置する リフォームによって自宅に物理的な障壁を設置することで、電磁波の進入を制限することができます。金属製の壁、導電性のカバー、電磁波遮蔽メッシュなどが遮断効果を持ちます。これらの障壁を適切に配置することで、電磁波の進入や漏洩を防ぐことができます。

4.コンセントから発せられる電磁波にも注意

電子レンジや携帯電話のように、電子機器自体が電磁波を放つ家電は多数あります。

そもそも、コンセントを繋げて電気を使用する電子家電は磁気をまとっているため、全ての家電から電磁波が発せられているのはご存じでしたでしょうか?

私たちは生活するうえで多くの家電を利用しており、それらひとつひとつが電磁波を放っているとなると、自宅そのものが大きな磁場だと考えることもできるでしょう。

そういった状況では、いくら外からの電磁波をカット・遮断したとしても、問題の発生源が自宅のなかにあるため、いつまで経っても電磁波による悩みから開放されることはありません。

アースによる電磁波除去

そこで注目したいのが「アース」です。

家電のコンセントから出ている緑色と黄色の線は見覚えがないでしょうか? それこそアース線であり、家電から漏れた電気を地面に流し除去してくれるのです。

アース線を繋げなければ本来電気が流れるべきではない部分が帯電してしまい、電場を持って電磁波を発生させてしまいます。

それ以前に、家電が帯電してしまうのは触れた際の感電の恐れがあるため非常に危険な状態と言えます。

アース線の接続端子がない場合

アース線は通常のコンセントとは異なり、専用の接続端子が必要となります。

しかし、日本においてアースはあまり認知されておらず、アース線の接続端子がない家庭も散見されています。

こういった場合は、リフォームによって家電を接続するコンセントを張り替え、アース線のための接続端子を作ることをおすすめします。

特に電気プラグを常に差していることが多い、冷蔵庫や洗濯機、電子レンジなどは早急な対策が求められます。

5.電磁波を可視化する方法

人間は太陽光に代表される「可視光線」を除いて、電磁波を目視で確認することができません。

そのため、電磁波が多く滞留しているような危険な場所の区別が付かず、多くの電磁波を浴びてしまうのが問題となっています。

しかし電磁波を直接目視で捉えずとも、専用の機器を使用してしまえば疑似的に電磁波を目で見ることができるようになります。

電磁波測定器による可視化

電磁波測定器は、電磁波の強度や周波数などを測定し、それを視覚的に可視化する役割を果たします。

一口に電磁波測定器と言ってもその種類は多岐にわたるため、代表的な電磁波測定器とその可視化方法をいくつか紹介します。

電磁波スペクトラムアナライザ 電磁波の周波数スペクトルを測定し、グラフィカルに表示します。測定されたデータは、周波数を横軸に、電磁波の強度を縦軸にとったスペクトルグラフとして表現されます。これにより、異なる周波数帯域での電磁波の分布や強度を可視化することができます。
電界強度計・磁界強度計 電界強度計は、電磁波の電界強度を測定し、磁界強度計は磁界強度を測定します。これらの測定器は、数値表示やバーグラフ、グラフィカルな表示などを通じて測定結果を可視化します。電界強度や磁界強度の変化をリアルタイムで観察することができます。
電磁波カメラ 電磁波カメラは、電磁波を視覚的に捉えるために使用される特殊なカメラです。これにより、可視光線以外の電磁波を画像や映像として表示することができます。電磁波のパターンや強度を直感的に視覚化することができます。
熱画像カメラ 熱画像カメラは、物体の赤外線放射を検出し、熱の分布を画像として表示します。これにより、物体の温度分布や熱の移動を可視化することができます。熱画像カメラは、赤外線を使用するため、電磁波の一部を可視化する方法のひとつです。

これらの電磁波測定器によって得られたデータや映像は、電磁波のパターンや特性を直感的に理解するのに役立ちます。

これにより、電磁波の強度や分布、周波数帯域の使用状況などを評価し、電磁波の影響や被ばくのリスクを評価することが可能となります。

ただし、正確な測定結果を得るには、適切な測定方法や測定器の操作が求められるため、専門家である電磁波測定士のサポートを受けることが重要です。

電磁波測定士の1級資格

1級電磁波測定士は、電磁波の測定と評価に関する専門的な知識とスキルを持つライフプランニングのコンサルタントです。

この資格を持つ専門家は、電磁波に関連する問題の評価や解決策の提案に従事することができます。

特に1級資格を持つ測定士は極低周波電磁波(50/60Hz)の測定を行ない、電磁環境の評価、電磁波の測定およびモニタリング、電磁波防護、電磁適合性の評価など、さまざまな分野で活躍しています。

当事務所には1級電磁波測定資格を持つ測定士が在籍しているため、専門的な観点から日夜電磁波被害にお悩みの方へのアドバイスを行なっています。

電磁波についてお困りごとやご質問があればお気軽にご相談ください。

6.まとめ

電磁波は、私たちの現代社会において欠かせない存在です。

我々の生活を便利にし、通信やエネルギーの伝送、医療診断などの分野で重要な役割を果たしています。一方で、電磁波の影響や安全性についての懸念も確かに存在しています。

私たちは、電磁波に囲まれながら生活していますが、その影響を正確に捉え、適切な対策を取ることが重要です。

そのため、電磁波測定士などの専門家にアドバイスを求め、電磁波の正しい管理と制御を行なわなければなりません。

電磁波の安全性と利便性を両立させるためには、科学的な研究の推進、適切な規制とガイドラインの策定、公衆への情報提供と啓発活動が必要です。

電磁波の特性や影響について理解を深め、適切な知識を持つことで、より健康的で安全な電磁波環境の実現を目指します。

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