コラム
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2025年2月に、高齢者の住宅において屋根の工事をする際にクーリングオフ制度の説明をしなかったなどの疑いで、会社役員の男性が逮捕されました。
調べによると男性は施工料金を振り込みではなく現金にて受け取るように仕向けており、利益を得たことを知られないように用意周到な工作を行なっていることが伺えます。
また、この男性はSNSで高収入アルバイトを謳って人を集め、犯罪行為を実行させる「匿名・流動型犯罪グループ」(トクリュウ)のリーダーである疑いも持たれています。
男性の従業員への教育システムは徹底されており、参加した人は営業マニュアルを読んでいる感覚で犯罪行為にやすやすと加担してしまう状況となっていました。
この男性が行なっていたのは「点検商法」と呼ばれるもので、家屋の工事などで不必要な作業を追加したり、法外な料金を設定することで不当に利益を得ようとする手口です。
このような点検商法は、どのような手法によって行なわれて、被害を受けないためにはどのような対策を取ればいいのでしょうか。
防犯のプロである防犯設備士の目線から、点検商法への対処法を紹介していきます。
18日、特定商取引法違反の疑いで逮捕された、兵庫県芦屋市の会社役員・斎藤大器容疑者(33)です。
警察によると、斎藤容疑者は去年7月から11月にかけて、神戸市長田区などの高齢者の住宅で、屋根の工事を契約する際、期間内であれば契約を解除できる「クーリングオフ制度」を説明しなかった疑いなどがもたれています。
この事件をめぐっては、住宅を訪問し高額な工事を契約させる、いわゆる「点検商法」を繰り返していたリフォーム会社「新日立建託」の社長らが逮捕・起訴されていますが、斎藤容疑者は実質的な経営者だったとみられています。
警察によると、被害者はこれまでに200人以上にのぼり、銀行口座には約2億8000万円が確認されているといいます。
その後の警察への取材で、斎藤容疑者らは高齢者らに対し、支払いを振り込みではなく現金で依頼していて、履歴が残らないよう工作していた可能性があることがわかりました。
引用元:『年収1億円可能』屋根の“点検商法”で逮捕の男、「トクリュウ」リーダーか 現金払いで履歴工作か(読売テレビ) – Yahoo!ニュース
まずは、点検商法がどのように行なわれるのか手口を知ることで、充実した対策を取ることが可能になります。
点検商法について理解を深め、被害を受けないようにする意識を強めましょう。
家の工事・作業で法外な料金を請求する
点検商法とは、各家庭に訪問して工事や片付けなどの作業を請け負うものの、その作業に対して法外な料金を請求したり、不必要な工程を加えて報酬額を増やす手口を使う消費者トラブルの一種です。
主に高齢者がターゲットとされることが多く、判断能力が低下した高齢者に対して提案する作業がさも絶対に必要かのように錯覚させて契約を締結させます。
また、クーリングオフのような消費者として認められた権利についても説明をせずに、ただひたすらに契約を結ばせて後から断れない状況を作ろうと動きます。
普通のリフォーム営業と点検商法を見破るためには、まず点検商法の特徴を知る必要があります。
点検商法に特有の営業トークなどのやり口を解説していきますので参考にしてください。
基本的に、点検商法を目的にしている場合は事前の連絡なしでいきなり訪問営業をかけていきます。
無料の点検を謳って家屋に入った上で「床材が腐っている」「このままだと水漏れの危険がある」など不安を煽る内容を伝えて、さも今すぐに対策が必要かのように勘違いをさせて、さらに強引な営業をかけていきます。
そうして営業を断ったら状況がより悪くなるかのように思わせて、契約を結ばせるのです。
契約を結んでしまったが最後、もし契約を解消しようとしてもあの手この手で言い訳をして契約解消を阻止してくるでしょう。
説明された工事の施工内容が、よく考えると必要性のない作業であることが点検商法の特徴の一つです。
例えば、下記のような施工内容は不要なものであると考えられます。
他にも、何の異常もない壁や天井を無理やり壊した上にその分の修理費用まで請求するといった手口も確認されています。
点検商法が疑われる場合には、その作業内容が本当に必要なものか見極める必要があります。
本当に顧客目線で営業をかけている業者であれば、顧客が必要だと決めたタイミングを伝えてくれるまで契約はしないものです。
しかし、点検商法を行なう業者は細かく見れば不要だとわかる作業内容を提案しているのでいち早く利益が欲しいと考えており、急いで契約をさせようとしてきます。
もし「すぐに作業をした方がいい」「このままだと状況がさらに悪くなる」といった不安を煽って契約を急がせる業者には特段の注意を向けた方がいいでしょう。
「点検商法の被害を受けないか不安」「離れて暮らす両親が巻き込まれないだろうか」と考える方は、点検商法に対する有効な対策を身につけておく必要があります。
どのような手法を取れば点検商法を回避できるのか、紹介していきます。
そもそも、最初のきっかけとなる訪問営業を断ることが一番重要です。
現在訪問営業を行なう業者の数はどの業界でも減少してきている上に、場合によっては非効率となり得る状況も出てきています。
その上で訪問営業をかけてくる業者は、自らの足をつかないようにして販路を拡大したい動きがあるかもしれません。
無用なトラブルを避けたい場合は、訪問営業を断るようにしてみましょう。
もし営業を受けてご自身でも作業が必要だと考えた場合でも、必ず他の業者からも作業の見積もりを取るのがベストです。
営業をかけられて提案された作業内容と同じものを他の業者にも伝えてどれくらいの費用がかかるか聞いてみた結果、法外な料金を請求されていたりずさんな作業をされていたとわかるケースは多いです。
契約を迫られたとしても、「他の業者と併せて考えたい」といって断り、その日は帰ってもらうように伝えましょう。
退去を促されても居座り続ける場合は住居侵入罪に該当することもあるため、業者も大人しく帰ってくれるはずです。
もし点検商法の営業に乗って契約してしまった場合でも、クーリングオフ制度を利用して契約を解消し、支払ったお金を取り戻すことができます。
今回ニュースで取り上げた男性の会社は契約時にクーリングオフの説明をしていなかったことをきっかけに問題となりましたが、クーリングオフ自体は書面の契約がなくてもすべての消費者に認められた権利です。
そのため、契約から8日以内に契約を解消したい旨を業者に伝えれば、契約の解除が可能になります。
もしやり方についてわからない場合は、お近くの消費生活センターに相談することで正しい方法を伝えてくれるでしょう。
訪問営業で「屋根や雨どいの無料点検」を持ちかけられ、その後「破損しているので修理が必要」と高額なリフォームを迫られるケースが増えています。
中には、業者が意図的に破損させる悪質な手口もあり、詐欺まがいの被害が多発しています。
住宅リフォームの訪問営業では、「火災保険を使って自己負担ゼロで修理ができます!」といった甘い言葉で勧誘するケースが増えています。
しかし、これが保険金詐欺に該当する可能性があるため注意が必要です。
保険金を不正に受け取った場合、依頼者も詐欺罪の共犯とみなされる可能性があるため、十分な注意が必要です。
防犯対策について
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