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 公開日: 2025/02/24

防犯意識の高まりで防犯グッズの需要増加|自宅で行なうべき防犯対策

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近年、闇バイトの募集で集められた人々が引き起こす組織的な「広域強盗事件」の被害が相次いでいるため、犯罪被害に巻き込まれないために自宅に防犯対策を行ないたいという声が高まっています。

ホームセンターなどではさまざまな防犯グッズを販売しており、その売れ行きは例年を超えるほどといわれています。

しかし、防犯グッズでできる対策にも限度があり、侵入者を諦めさせることはできても完全に侵入を食い止めるのは難しいでしょう。

そのような時に必要になるのは、防犯のプロの目線からの防犯対策です。

自宅への侵入者の行動パターンや心理を理解した専門家ならではの防犯対策を敷くことで、対策はより強固なものとなるでしょう。

この記事では、高まる防犯グッズの需要に対応し、自宅のセキュリティを高める上で有効な対策を防犯のプロの目線から解説します。

– 目次

1- ニュースの概要


ホームセンター「カインズ 青梅インター店」では、防犯グッズの売れ行きが先月と比べて約2.5倍に。身を守るために、防犯対策を強化する商品を求める人が、急増しているのです。補助錠と屋外用センサーライトは、前の年の同じ時期と比べて約5倍に増えていました。
引用元:防犯グッズの需要急増…強盗事件相次ぎ プロに聞く「自宅の防犯対策」(2024年10月23日掲載)|日テレNEWS NNN

2- 防犯グッズの需要が高まった背景

なぜ急激に防犯グッズの需要が高まったのでしょうか。

背景にある事情を解説していきます。

広域強盗事件

最も大きな影響を与えているのは、2022年5月頃から2023年1月にかけて全国各地で発生した広域強盗事件でしょう。

閑静な住宅街に住む高齢者層をターゲットにして、数人で住居内に侵入して金品を強奪するだけでなく、抵抗されないように住人を拘束して暴力をふるい殺害した事件です。

事件を実行したのはいわゆる「闇バイト」の募集で集められた若者を中心とした人達で、事件の首謀者は指示役として別に存在している組織的な犯行の実態が話題を集めました。

その後、類似の手口を使った強盗事件も頻発したことで同様の「闇バイト」グループの存在も明らかになったため、人々の防犯意識を高める大きなきっかけとなりました。

「闇バイト」による犯罪

広域強盗事件が首謀者の逮捕で解決したように見えても、同様の「闇バイト」による強盗事件は後を断たず、現在でも全国各地で被害が報告されています。

「闇バイト」の手口の一つに住宅街を深夜に徘徊してターゲットになる家の目星をつけるものがあり、無関係な人には一見何の違和感も覚えないような独特な目印を残すことがあります。

例えば気付かれないような場所に置き石をしたり、表札部分に小さくターゲットの情報を知らせる記号を書き残すなどが代表的な手口です。

そして日を改めて準備をして、ターゲットの家に侵入して強盗行為を行なうのです。

「闇バイト」による強盗は基本的に集団で行なわれるため、仮に住人に犯行を気付かれたとしても集団による数の多さで住人を拘束してしまいます。

中には抵抗されないように暴行を加えることもあり、もし「闇バイト」による強盗被害に直面したとしても無闇に実行犯を刺激することは身の安全のために控えてください

3- 有効な自宅の防犯対策

自宅に防犯対策を行なうことで、犯罪被害を抑止できたり侵入を諦めさせて退散させることが可能になります。

どのような対策が有効になるのか、防犯設備士の目線から紹介していきます。

防犯カメラの設置

侵入者が最も警戒しやすいのは、防犯カメラによる監視です。

自らの犯行現場を記録されることは後々になって逮捕されるリスクに直結するため、できる限り姿を映されたくないのが侵入者の心理です。

ポイントとしては、犯行現場を記録するために見えないところに設置するのではなく、監視カメラがあること自体の抑止力を活かして、あえて侵入者の見えやすい場所に設置することです。

「犯行現場を記録されている」という心理的なプレッシャーを与えることにもつながり、退散させる可能性を更に高められるでしょう。

窓からの侵入を防止するグッズの設置

住居侵入犯の多くは窓から侵入を試みる上に、近年は窓ガラスの鍵の周辺部分だけ的確に切り抜いて解錠して侵入するケースが増加しています。

そのため、鍵の周辺部分にだけフィルムを貼ることで窓の破壊を抑制したり、追加の鍵を設置することで侵入に時間をかけさせる対策も有効です。

傾向として、住居侵入犯は5分以上時間がかかると約7割が諦め、10分かかると大多数が諦めるといわれています。

「侵入に時間をかけさせる」ことで犯人に人目につくリスクを意識させ、侵入を阻止することが可能です。

自宅周辺に砂利を敷く

家の周りに砂利を敷いていくと足音が強調されるため、家の中であっても外に誰かいることを感じ取りやすくなります。

住居侵入犯にとっても、余計な物音を立てることは見つかるリスクを高めることになるため、足音が目立つ状況はできる限り避けたいものです。

滞在する時間が長時間になるほど物音を立てる時間も長くなるため、侵入犯が退散しやすくなります。

センサーライトの設置

人感センサーが反応すると光るセンサーライトを設置することで、住居侵入犯の警戒心を煽ることができます。

基本的に住居侵入犯は見つからないように暗い中で動きたいものですが、急に自らの姿を照らされることで見つかる可能性が高まると思わせられます。

光によって注目が集まるリスクを感じさせることで、住居侵入犯の撤退をうながせます。

侵入可能だと思わせない対策

住居侵入犯からすれば留守の家は格好の標的になりますし、留守を悟らせないための対策も自宅の防犯においては重要です。

例えば、玄関の覗き穴は基本内側から外の様子を見るためにありますが、特殊なグッズを使えば外から内側の様子が見えてしまいます。

誰もいないとわかれば侵入されてしまうので、覗き穴を塞いでおくことはシンプルですが有効な対策です。

また、郵便受けに郵便物が溜まっている状態も、こまめに郵便受けを管理できないことから留守を悟られてしまう要因です。

もし長期間家を空けることがあるなら、知人に郵便物を回収して預かってもらうといった対策が有効になります。

4- 専門家はどう見る

自宅を守るためには、まず窓の防犯対策が基本。窓ガラスに防犯フィルムを貼る、補助錠を設置するなどの工夫が必要です。

防犯カメラや人感センサーライトも有効で、侵入者の心理に強い抑止効果を与えます。

自宅の窓や玄関にカメラやセンサーを設置すると、泥棒や不審者の死角がなくなります。

これが町全体に広がれば、防犯の空白地帯が減り、地域の安全性が高まります。

今後、日本では外国人の増加で治安の変化も予想され、防犯意識の向上がより重要です。

一人ひとりの取り組みが、安心して暮らせる町をつくります。

ライター

防犯対策について
2025年2月11日

防犯設備士が作成した、「防犯対策について」の記事です。防犯設備士のみならず「1級電磁波測定資格」など、電磁波や防犯に関する高度な知識と技術を持つ有資格者が監修。

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